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notatione digna?

岡山大学でドイツ地域を中心に西洋史(中世史)を研究している大貫俊夫のブログ。

西洋史演習学生アンケートから抜粋

先学期の西洋史演習で、最後に研究室や授業の改善のためにコメントをしてもらいました。今日は改めてそれに目を通したので、重要そうなものを抜粋してコメントを付していきたいと思います。想像以上に長くなりました。

西洋史演習のドイツ語文献購読について

1回生までの広く浅くといった授業とは違い、西洋史演習といういかにも専門的な授業は正直私にとってなかなか取っ付き難いもののように思った。まず日本語でも理解が難しい内容を外国語で読解するというのは至難だった。西洋史研究というものがこのような外国語文献を取り扱うことを恥ずかしながら1回生当初はまだ知らなかったため、2回生間近になってシラバスを読んだときには面喰らった。さらにドイツ語については大学に入ってから触れた言語であり自分の語学の乏しさに(ママ)痛感した。

テキストの内容が難しかった。・・・。テキストのレベルの再検討を求む。ただ、むやみやたらにレベルを下げることは、演習全体のレベルを下げることにも繋がると思う。また最初に、比較的簡単なテキストを訳していくのに慣れてしまうと、テキストのレベルが上がったときに、これまで以上の精神的ダメージを受けるかもしれない。なので、最初は難しめのテキストで出鼻を挫き、そこから受講生のレベルにそったテキストをところどころ交えていけばいいのではないだろうか。

これらはおよそ8割方の率直な意見なのでしょう。最初の意見については、とてもよく分かるのですが、僕自身が大学に入って最初2年間一般教養を学んでいたときも、将来外国語文献を扱うということは意識していなかったし、おそらく聞き知っていなかったと思います。それでも専門に進み、当時の「備忘録」のような薄っぺらいシラバスで読むことを知ったとき、初めての経験ながら特に違和感は感じなかったと思います。そのため、こうした意見に心を重ね合わせることが僕には「至難」なのです。この方は、「1回生後期の入門演習などで比較的簡単で短めの外国語文献を取り扱う授業があってもよいのでは」という改善策を提示してくれました。英・独・仏などの語学の授業で、文章読解の授業はないのでしょうか?いずれにせよ、2回生から外国語文献を扱うから1回生のうちから語学に取り組んでおくようにということは、西洋史学研究室のHPに書いておいた方がいいですね。

下の意見は、テキスト選定が手間なのでそう柔軟に変えられるものか疑問なのですが、様子を見て難易度を下げる必要はあるのかもしれません。

その他授業についての改善策として、

ドイツ語の力をつけたい人は最終回の授業までに、配られたテキストの全訳を行い、それを提出し先生のチェックをしていただく、・・・。

は、やっても構いません。問題はこれを採点の対象にするかどうか、するとしたら提出しない人はどうするのか、ですね。個人的には、採点の対象とせず、純粋にドイツ語力向上の手助けという形でやりたいです。

せめて、その事柄の概要を知るために、おすすめの本やホームページがあれば教えてほしい。

これは、去年僕が怠っていたことです。なるべく具体的に提示していかねば。一方で、

(ドイツ語文献購読は)言語に関しても歴史的な知識についても養成してくれる、とても価値のあるものであったと思います。

という意見もあり、こう言っていただけると報われた気分になります。

西洋史演習のディスカッション回について

おおむね好評で良かったです。改善点として、

しかし、自分の頭の中でうまく意見がまとまらないときに、少し隣の人と話すことで自分の考えがまとまることもあるので、可能であればそういう時間があってもいいのではないかと思う。解くに最初の方の講義では、そのようなペアワーク、グループディスカッションの時間が、受講者同士のコミュニケーションにもつながるのではないかと考える。

がなるほどと思いました。僕は正直、グループディスカッションでないと意見が言いづらいということが理解できません。全体討論の場でも、言いたいことがあれば遠慮なくいったらいいと思ってしまいます。頓珍漢なことを言うのがためらわれるのでしょうか?いずれにせよ、高校までの「出る杭は打たれる」コミュニケーション作法を引きずっているのだろうと想像しています。しかし、実際に心理的障壁があるのは抗うことのできない現実なので、グループごとの時間を冒頭で設けてもいいかなと思っています。

西洋史学研究室について

私が研究室のイベントにあまり参加できなかったのは大いに原因にもなると思うが、もう少し西洋史を専攻とする学生全体での交流の場はなかったのかなと思う。

これは正直力が抜けてしまう(笑)のですが、そしてまた本人も分かっておられるようですが、今年はそういうイベントはかなり設け、周知しておりました。来年度はさらに盛り上げていくので、ぜひ来ていただきたいと思います。現在製作中の新歓パンフレットは、新3回生、4回生にも配ることにしましょう。新しい試みとして、「研究室で歴史映画を観て、その感想を述べたり、歴史的事実に反することを指摘し合えるような企画があったら面白そうだなと思います」や「1回生のまだどこの研究室にも所属していないような学生を呼び込んで、西洋史研究室の魅力を伝えることはできないでしょうか」という意見も。いいですね!

とはいえ、学生の研究室へのコミットメントには差があっていいと思います。「演習室の最大の敵は家と部室です」という率直な意見、僕は大好きです。演習室を居場所とする人もいれば、卒業するために最低限関わる人もいる。それでいいかなと。いずれにせよ、所属する学生が演習室を「一つの拠点」、あるいは「最後の砦」としてくれればなと思います。レポートや卒論は、もちろんどこででも書けます。しかし、可能であれば演習室を「拠点」として執筆していってもらいたいと思います。院生や教員が気軽に声をかけられるので、間違いなく文章のクォリティは上がるでしょう。そういう場を作っていきましょう。

勉強会などについて

昨年は、勉強会の日程調整の難しさが自覚されました。このことについて、

来期はこのような機会を活かすために、発表者の都合に合わせて発表の日にちの候補を決めて、聴講者に選択してもらうのはいかがでしょうか。その分手間もかかりますが、聴講者の増加につながりますし、その分人数が多くなり活発な会になると思います。

候補日を複数設けるのはとてもいいですね。勉強会自体の仕切りは僕がやったとしても、日程調整は発表者がサイボウズLiveを使って自分でやる、という風にしてみましょうか。日程調整は煩わしいですが、自分の回だけだったら負担は集中しないはず。そして、

研究室でも図書館でも、おのおのが独自にインスピレーションを得た西洋史関連の本を読み、どこかで紹介する機会があればいいと思いました。レジュメを作らなくても、口頭で発表された本の概要を聞くだけでも興味や関心につながりますし、・・・。

についても、ぜひ勉強会の枠内でやっていきましょう。国を限定しない「全体会」で参加者を募集すればいいと思います。また、こうした内容であればビブリオバトル形式を導入するのも手ですね。来年度は某授業でビブリオバトルを実践しますので、その結果をフィードバックしていければと思います。

勉強会の日程調整については、

(勉強会を)土日にやってみるということです。土日なら参加しやすい人もいる可能性が高く、また勉強会の後に学生同士で食事をする、ボウリングやカラオケなどをやってさらに交流を深めることもできるのではないでしょうか。

という意見も。いいですね。僕はそれを妨げるものではありません。その他、「世界史概説的な勉強会」の要望も。

サイボウズLiveについて

これが最も悩ましい問題かもしれません。その人のIT環境によって情報格差が必ずできてしまうからです。

それ以前にサイボウズをあんまり見ていない人が多いでしょうね。ガラケーだととくに見ていないと思います。・・・。自分がサイボウズを見るときは、大学のメールボックスを開いて、サイボウズから届いたメールから飛んで、サイボウズに入るという手順なので、ケータイもガラケーの自分は面倒であまり見ていない人の一人です。何かお知らせがあると分かれば見るんですけど・・・。研究室用のツイッターを作って、サイボウズの更新状況をつぶやいていくのはどうでしょうか。

この学生の場合、ガラケーのメールアドレスに更新メールが送られてこないため、あまり見ていないということでした。そういう学生が一定数いることは知っています。ぜひ、普段チェックしているそのガラケーのアドレスに登録変更して下さい。更新があるなと分かったら、パソコンでチェックすればいいわけです(ガラケーでもサイボウズはできますが、使い勝手はよくない)。あるいは、緊急連絡の時だけ別のメールアドレスに送ってもらうことも可能です。それをガラケーのアドレスにするとか。

いずれにせよ、「スマートフォンでない人に対しての考慮が必要であると感じた」という意見もあったように、何らかのフォローは必要なのでしょう。

改めてみんなに使い方を知らしめる必要性がありそうです。サイボウズがうまく機能すれば、今まで情報を見過ごしていたがためにイベントに参加できていなかった人も、みんなで楽しむことができると思うのです。