notatione digna?

岡山大学でドイツ地域を中心に西洋史(中世史)を研究している大貫俊夫のブログ。

博士論文受理の知らせと審査プロセス

昨日,大学から博士論文が受理された旨を記した書面をいただいた。2人の審査員に論文が渡ったことと,これからの審査プロセスが記されている。トリーア大学における審査プロセスは大雑把に以下の通り。

  1. 論文を学部に提出
  2. 論文について3ヶ月以内に2人の教授が評価書を学部に提出
  3. 論文及び2通の評価書が学部内で公開され,異議申し立ての期間として3週間設ける
  4. 何も異議がなければ論文の評点が確定し,その旨書面で連絡がある
  5. さらに3ヶ月以内に口述試験が行われ,一定のレヴェルに達していれば修了

一見半年くらいかかりそうな日程だが(実際半年かかることが多いのだが),今回滞在許可証の都合もあり,なるべく早い対応を懇願した。2と5は指導教授を含む主査・副査次第で理論的にはゼロに近づけることができるため,年末〜年始の口述試験が可能となる。その件は学部側にも指導教授にも確認したため問題ないであろう。

唯一スキップできないのは3で,これは結婚のプロセスによく似ていて面白い。ドイツに限らずキリスト教社会では婚姻前告知というのがあり,ドイツの場合婚姻の数週間前にそれが公示され,異議申し立てを認めている。博士論文に関しても「社会」の構成員が形式的ではあれ同意する過程が重要視されているように思われる。

なお,日本で博士論文を提出していたらこういうプロセスを経ることになる。「準備計画書」や「予備論文」があるのが特徴的で,論文審査の後そのまま口頭試問が行われ,その後研究科委員会で承認されることになっており,この点で3の過程が入るトリーア大学とは異なる。博士号認定過程の国際間,大学間比較はやってみると結構面白い。