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notatione digna?

岡山大学でドイツ地域を中心に西洋史(中世史)を研究している大貫俊夫のブログ。

ドイツ滞在の成果

12月5日から19日まで,ちょうど2週間ドイツのトリーアに滞在して史料収集と研究を進めて参りました。子どもも産まれてあまり家を長く空けるのが難しい中,妻には感謝してもし切れません。
今回達成したことは非常に多岐にわたるのですが,ざっと以下のことをやってきました。

⑴トリーア市立図書館で以下の史料の写真を撮る,中身を見る,読む
特に以前から実際に手にしたいと思っていたのがオルヴァル修道院の散逸したカルチュレール(いわゆるCartulaire Boso)です。これ以外のカルチュレールはベルギーのアルロン国立文書館にあるのですが,これだけなぜかトリーアに流れ着き保存されています。トリーアに長く住んでおきながら当時は必要に迫られていなかったので後回しにしていたものでした。1巻本で5センチくらいの厚さ。18世紀に作成されました。

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その他,ヒメロート修道院に関わる(しかも研究している時代をオーバーする14世紀後半に関する)証書史料などを閲覧しました。研究上14世紀半ばまでと区切っていても,実際はその先まで目配りしないといけないこともありますね。まだまだここには必要なものが眠っています。

⑵トリーア大学図書館,トリーア市立図書館で文献コピー
とりわけ地域史,修道院史の文献はこちらにしかない物が多いため,時間的にはこれに一番重点が置かれます。近年,地域史の雑誌はPDFになってインターネットに上がっていることがありますが,まだまだ時間がかかりそうです。

⑶ドイツ語論文の脱稿
教授の弟子が早くも定年退職を迎え,その記念論文集に寄稿させていただくことになっていました。今回,2日に分けて編者になった同僚と机に向かい,直にすでに提出していた論文の内容を議論しながら詰めることができ,またドイツ語も洗練されたものに。今週全原稿が出版社に渡り,3月に出版されるそうです。今年度は論文がゼロかと危惧していたので本当に良かったです。早々に現在準備している日本語論文も投稿し,業績欄に2本目を載せる。これが現在の課題です。

⑷教授と面談
様々な研究活動の中で喫緊な課題は博士論文です。今回それについて指導教授(Prof. em. Dr. phil. Dr. h.c. Alfred Haverkamp:最近エルサレム・ヘブライ大学から名誉博士号を授与され肩書きが長い)と非常にintensivな面談を行うことができ,有意義な指導をいただけました。これをもとにさらに論文を良いものにしていきます。まだまだ時間はかかりそうですが,教授の口ぶりから先が見えてきた気がします。

以上です。今後の研究生活に資する満足のいく滞在となりました。ほとんど足を運ぶことはありませんでしたが,トリーアのHauptmarktではクリスマスマーケットが大賑わい。2年振りに見ましたが,改めて年末だなと強く実感します。今年一年,皆さんにとってどういう年でしたか?

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Weihnachtsmarkt in Trier(向こうにはSt. Gangolfの鐘楼が見える)