notatione digna?

岡山大学でドイツ地域を中心に西洋史(中世史)を研究している大貫俊夫のブログ。

事業仕分けに関連する学術団体の反応

事業仕分けの結果について、各学術団体が一斉に意見書・緊急声明を発表しています。

事業仕分けWS3 科学分野 まとめウィキ
行動をおこしている団体・サイト

ちょっと確認できないのですが、史学会等、歴史学やより広く人文学関連の団体にそういう動きはないのでしょうか?こういうときに意思を表明することが学会の持つ使命なのだろうと思います。

例えば上の「行動をおこしている団体・サイト」から適当に日本地質学会の意見書を拾ってみますと、まず第一に若手研究者育成に関する事業を取り上げ、事業仕分けでの議論を「暴論」としています。特にこの部分:

日本の、そして世界の学術研究推進において、その基盤を支え、実質的に最も重要な力となっているのは、大学院生からポスドクの若い集団にほかなりません。

は、現状認識に基づいた重要な指摘です。関連する巨大プロジェクトを差し置いてこのことについて明記しているわけです。

これが日本の歴史学界、あるいはより狭く西洋史学界に当てはまるかどうかについては諸々議論がありましょうが、少なくとも大きな時代の流れとしてそういう傾向になりつつあるのは事実だろうと思います(私の知る限りドイツではすでにそうです)。世代論に還元する気は毛頭ありませんが、若手研究者が研究に支障をきたさんとしている今、学界で発言力を持っておられる方々を中心に学術団体単位で意見を表明するのは至極当然なのではないかと思う次第です。言うまでもないことですが、研究者というのは、互いの研究活動に依拠せずして自己の存立はあり得ないという意味で利害共同体を成しています。これは世代の垣根を越えて言えることでしょう。