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notatione digna?

岡山大学でドイツ地域を中心に西洋史(中世史)を研究している大貫俊夫のブログ。

アルロン国立文書館訪問

この日雪降りしきる中、ベルギーのアルロン(Arlon)にある文書館でマニュスクリプトを写真に収めてきた。アルロンは電車の乗り換えのため降りたことがあったが、改めて歩いてみると、人口27000人という数字に相応しい規模の小さな小さな田舎都市であることが分かった。

この文書館の歴史にも関わってくることだが、アルロンはルクセンブルクと地理的に接し、色々な意味でその影響が大きい土地柄を持つ。例えば公用語のフランス語に加えてルクセンブルク語を話す人が多い。駅の窓口で、ドイツ語らしき会話が聞かれた。ドイツ語のようでドイツ語ではない、例のルクセンブルク語であった(例の、というのはトリーアに住む者としてかなり馴染みがあるからである)。

文書館は、駅から見て町の中心とは反対側にあり、天気の悪い中、人気のない寒々とした道を10分強歩く必要があった。

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ここには、僕の研究している修道院に関する最も大規模な文書群が保管してある。ひとまず最も重要なカルチュレール(18世紀成立、中世に関する文書のみGoffinetが校訂)を閲覧する。ここに5冊あるが、これで1シリーズ。あともう1シリーズこの文書館にあり、もう1シリーズはトリーアの市立図書館にある。

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カルチュレールは必要な箇所のみ、あとは13世紀のオリジナルの証書等を写真に収めて作業終了。

その他、若い文書館員と仲良くなったのも大きな収穫だったように思う。彼は近代史が専門だが、上司が中世を専門にしているらしく、今後も関係が持てたらという申し出を受け、連絡先の交換をした。ここが田舎町のせいか、文書館員も来訪者ものんびりしていて人なつっこい。お年を召した方に声をかけられ少し話したが、彼は自分の祖先の記録を調べに来ているとのこと。おそらくリタイア後の趣味なのだろうが、実に地道な努力を要する趣味である。

フランス語圏の文書館はあと6ヶ所くらい(ベルギー数ヶ所、ロレーヌ数ヶ所、そしてパリ)は回らねばならないので、その都度またここに書き記す予定。