notatione digna?

岡山大学でドイツ地域を中心に西洋史(中世史)を研究している大貫俊夫のブログ。

雑感

新年の抱負2016

新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。 昨年の記事を見て、ちょうど1年前に振り返りと抱負を書いたのを思い出しました。昨年はいかに抱負の通りにできなかったのかを反省するためにも、今年も同じことをしたいと思います…

西洋史演習のリズムが確立したか〜その1

ここで何回か西洋史演習(ゼミ)の話題を書いています。というのも、講義と違いこの授業が一番教員の個性が反映されるし、教育現場として最もスリリングですので、どうしても僕自身考えることが沢山あってアウトプットしたくなるのです。水準は大学院に進学…

「中世的」という揶揄について

国連から批判を受けて日本の上田大使「シャラップ!」とブチギレ - YouTube 「我々はこの分野で最も進んだ国」、という表現は大使が日本の司法制度への自虐、ではなく弁明ために発したものだという点に苦笑を禁じ得ないわけですが、中世史研究をしていて気に…

口述試験について

ドイツの博士号に関する学位審査は論文審査と口述試験の2段階で行われる。以前の記事では両者の間に(トリーアの場合)3週間の猶予を置く,等の話を書いた。今回は口述試験について。ドイツでは伝統的に,DisputatioとRigorosumのうちいずれかの形式が選択さ…

小倉欣一『ドイツ中世都市の自由と平和』

心底気をもむことがあり、ほぼ腑抜けと化して困っている昨今。ところが本日土曜日、妻が体調を崩したため子どもの面倒を必死に見ていると、そのことに専心するため永久機関のごとく気に病む時間が大幅に減った。まさにこれこそ天の配剤だと理解し、前向きに…

フランス語講座でフランス語以外に学ぶこと

フランス語講座の続き。 フランス語をドイツ語で学ぶのは、ドイツ語をそこそこ学んでいればあまり難しいことは無い、というのが実感である。しかもそこはやはり同じインド=ヨーロッパ語族、基礎的な文構造が似ているので、列記すると実に分かりやすいのであ…

フランス語講座に通い始めた理由

先週から水曜日の18時〜19時半にフランス語講座に通い始めた。Volkshochschule(市民大学?)と呼ばれるトリーア市のカルチャーセンターが開催しているものなのだが、語学に限っても、その他DaF(外国人のためのドイツ語)からルクセンブルク語、アラビア語…

「回顧と展望」2011年の歴史学界を読んで その1

ひょんなことから読む機会をいただいた今年の『史学雑誌』「回顧と展望」。これに目を通すことはいわば年中行事ですが、年によって当たり外れが大きくこれほど書き手に依存した「テンプレート企画」は無いのではないかと再確認しました。白眉はやはり深沢先…

博論の進捗状況と投稿論文

今日は月曜日で,夏学期のコロキウムも最終回。教授の面談時間が設定されています。少しお話しできるのかなと思っていたのですが,研究室で勉強していると,10時半頃教授がやってきて,今まで提出していた分(序論,第1部,第2部)を読んだと言って返却して…

来週面談

教授とは幸い毎週挨拶を交わせているため,何か聞きたいことがあったらその都度聞ける環境にあります。日本に帰っていた1年半,多分に没交渉的なところがあり誤解も多かったのですが,今は博論の何が問題なのかを直接話してくれるので,迷いなく原稿を修正で…

草稿を提出

最近,4月の変わりやすい天気にややうんざり気味ですが元気にやっています。今日は教授と会える約束になっていたので,午後は研究室にずっと詰めていた。4時頃やっと来たので,博論の草稿のうち,半分を超えるくらいを提出することができました。教授は来週…

教授と面談

今日は今回初めてハーファーカンプ教授と面談をすることができました。妻と娘を紹介できたのがまずもって大きな喜びで、娘も教授を前にかつてないくらいはしゃいでいました。教授はというと,ちょっと前までインフルエンザにかかっていて,数日前も風邪をひ…

ガリフナの人々の面白さ

1月に浜松の楽器博物館を訪れる機会がありました。ここはヤマハ等のお膝元だけあって鍵盤楽器が充実していたり楽器の体験コーナーもあったりで実に飽きない施設なのですが,その中で最も目を引いたのは企画展「写真で見る・ガリフナの音楽と踊り」でした。ガ…

2012年の抱負

あけましておめでとうございます。2012年1月1日の朝,少し早く起きることができたので1年の抱負を書かせていただきます(今書かないときっと機会を逸するので)。⑴博士論文の完成,提出,学位の取得,出版準備 これが2011年中に果たせなかったのが最大の心残…

ドイツ滞在の成果

12月5日から19日まで,ちょうど2週間ドイツのトリーアに滞在して史料収集と研究を進めて参りました。子どもも産まれてあまり家を長く空けるのが難しい中,妻には感謝してもし切れません。 今回達成したことは非常に多岐にわたるのですが,ざっと以下のことを…

K. U. F. U.

昨日の研究会について妻とあれこれ話す中で,ライムスターが歌うK. U. F. U.がつくづく大事だと指摘されました。全くだ!この歌は歌詞カードを見ながら聞くとよく理解できます。http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND88801/index.html以上。

東京国立博物館 法然と親鸞

1週間ほど前にフランス史の先生からお誘いがあり,ゼミ生と共に東京国立博物館の「法然と親鸞」展に行ってきました。今回は法然上人800回忌,親鸞聖人750回忌ということで,二人にまつわる書,絵,仏像等が結集。これほど大規模な者は当分(50年?)ないと思…

発表準備について

結局,もう少しレジュメを手直ししようと取り組んでいるわけです。しかしそれもお昼までにとどめ,午後は博論そのものの手直しに取りかかりたいものです。ちなみに今それ以外にやっている作業は ・博論の手直し ・日本語投稿論文の執筆 でして,なんとか去年…

発表準備ひとまず完了

11月もあっという間に半分過ぎましたが,時間を有効に使うことができず,研究は当初の想定通りには進みませんでした。しかし,今日やっと19日に行う研究会発表の原稿とレジュメを作り上げ,もう少しきちんとさせるか,開き直るかの二者択一となっています。…

2011年10月31日

今日は午前中投稿論文の執筆を進めて,午後は高山ゼミへ。ヘンリ2世の2回目で,結構議論がかみ合って充実していました。計2本の論文を扱ったのですが(報告者はさらに3本目もレジュメを切っていた!)特に興味深かったのはこの論文。Stephen D. Church, Some…

2011年10月29日

昨日は一日いいことが無かったので,この週末でまた盛り返したいものです。*今日は先ほどまで深沢科研の第2回国際ワークショップに行ってカタリ派の報告を聞いておりました。名残惜しいのですが午後は自分の研究をしたいので中座。もう少しゆっくり出席者と…

2011年10月26日

今日は終日Winfried Reichert, HOMINUM DURA CERVIX: Agrarische Konflikte und Konfliktlösungen an der Mosel und in der Eifel während des hohen Mittelalters, in: RhVjbll 75 (2011), S. 70-107.を読んでいます。もたもたしているうちに新しい地域史の…

2011年10月25日

今朝の投稿で,ヘンリ2世が改悛の意を表す際に身につけた修道服は何色だったのかと書きましたが,そう言えばヘンリ2世とその妻アリエノールが埋葬されたのはアンジューのフォントヴロ修道院でしたね。もちろん件の修道服の問題とは直接関係ありませんが,11…

10月24日

ブログの更新が無いのはもったいないので,昨日あったことを記しておきます。基本的に日中は博士論文の修正・拡充に費やしているのですが,最近はシトー会修道院に服属する女子修道院と中小貴族の関係について調べていました。例えばヒメロート修道院(Himme…

新年度スタート

今日から新年度がスタートしました。ドイツは明日から月曜日まで復活祭休暇なので、空気感としては日本とは対照的で、完全にリラックスモードです。今週は同僚も次々とUrlaubを取り、実家に帰って家族で旅行したりしているようです。とはいえ自分はそれとは…

ミステリー小説に没頭した3月中旬

3月の中旬、コブレンツの文書館に足を運んだこともあって、電車の中で時間を潰す必要がありました。その際に以下の2冊を一気に読破。著者の桐野夏生は知っていたのですが、日本で手を出していなかった小説家でした。顔に降りかかる雨 (講談社文庫)作者: 桐野…

花粉症と滞在許可証

三月も半ばを過ぎてトリーアではここ数日一気に気温が上がり、場合によると東京より暖かい日もあるようです。しかし喜びも束の間、花粉症で苦しんでおります。ドイツでここまでひどいのは初めてで、この地上に楽園はもうないんだなと落胆しています。そのよ…

史料について

珍しく連続して投稿しますが、そのtwitter上で史料中心の実証研究を行うべしという、歴史研究者として至極当然のことをつぶやいたところ、思いがけず議論が広がって大変有意義な経験をしました。最終的に自分としては 1)職人的な姿勢で史料に沈潜した上で、…

twitterでのやりとり

最近twitter上で、自分の専門に関わるトピックで大変刺激的な議論がなされています。自分も興味を持ったトピックには口を出すようになったのですが、いかんせんルーズなつぶやき形式に加え、お互いの研究者としての背景を端折って話をすることが不可避なため…

抽象的な思考の放棄

一日暴風雨にさらされ、自宅が街から離れて山の上にあるため外出する気も起きずずっと家で掃除やらをしていました。おそらく風のせいで家の電気が不安定になり、10分くらい停電になったりも。やれやれという心境でネットの切断されたパソコンに向かっていま…

アルロン国立文書館再訪へ

今年の冬は今までで一番寒く、かなりうんざりしました。氷点下+雪の毎日で、外に出るのがこれほど億劫になるとは想像もつきませんでした。今日はいよいよ気温も10度を超え、季節の変化をようやく感じることができました。しかし、気圧の関係かどうにも調子…

新聞記事

昨日紹介した署名活動に関連する(であろう)新聞記事が早速書かれていたのでリンクを貼っておきます。事業仕分け、物申す京大院生 研究者育成「削減」に反対(朝日新聞) http://www.asahi.com/national/update/1207/OSK200912070058.html

事業仕分け(若手研究者育成予算の縮減)に関する署名(12月10日追記)

事業仕分け(若手研究者育成予算の縮減)に関する人文・社会系の若手研究者による署名活動についてメールをいただきました。前回のエントリーで書いたように本来学会単位で意思表明をすることが大切だと考えますが、人文系諸学会に目立った動きがない以上(…

事業仕分けに関連する学術団体の反応

事業仕分けの結果について、各学術団体が一斉に意見書・緊急声明を発表しています。事業仕分けWS3 科学分野 まとめウィキ 行動をおこしている団体・サイトちょっと確認できないのですが、史学会等、歴史学やより広く人文学関連の団体にそういう動きはないの…

行政刷新会議事業仕分け第3WG評価コメント

自分に限らず若手研究者にとって当面「若手」でなくなるまで必要不可欠なお金が、まだ確定ではないにせよ削減される方向で検討されているようです(ただ大目に概算要求しているはずなので、実質的に削減されるかどうかは注視が必要)。評価コメント http://w…

補正予算関連続報

前の記事に書いた②の予算について、朝日新聞に続報が出ていました。引用しておきます。 研究者の「武者修行」を支援します――。研究目的で3カ月以上、海外に滞在する若手研究者に対し、文部科学省が航空運賃や滞在費を支給する事業に乗り出す。日本学術振興…

独立行政法人日本学術振興会法の一部を改正する法律案

時事通信の記事によれば、表題の法律が近々国会を通過するらしい。 衆院は2日午後の本会議で、3日で切れる今国会会期を7月28日までの55日間延長することを自民、公明両党の賛成多数で議決する。2009年度補正予算関連法案や海賊対処法案などの成立…

ドイツ語の日本語表記の問題

前の記事でEberbachを「エーバーバッハ」と書いたが、「エーベルバッハ」と書きたい方もおられるかもしれない。むしろ「エーベルバッハ」の方が一般的で、グーグルで検索すると前者が約7500ヒットに対し、後者は約25000ヒット。ただ、現代ドイツ語ではこのr…

言語の横断

先週、昨年から懸念事項だった日本語論文を脱稿し、無事日本へ送付できた(無事到着するといいのだけど・・・基本的にドイチェ・ポストやらドイチェ・バーンやらは信用できないので。「ドイツ人はpünktlich」というのは神話)。気持ちを切り替えて博論の執筆を…