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notatione digna?

岡山大学でドイツ地域を中心に西洋史(中世史)を研究している大貫俊夫のブログ。

新年の抱負2016

新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。 昨年の記事を見て、ちょうど1年前に振り返りと抱負を書いたのを思い出しました。昨年はいかに抱負の通りにできなかったのかを反省するためにも、今年も同じことをしたいと思います…

文学部プロジェクト研究第2回研究会

参加させていただいている2013年度文学部プロジェクト研究「貧困・死に相対する宗教者・思想家と社会的コンテクスト」の第2回研究会を昨日25日に行いました。文学部の先生、院生、学部生が聞きに来て下さり、第1回以上の出席者数となりました。なんとも嬉し…

Ingrid Voss, Herrschertreffen im frühen und hohen Mittelalter

授業の準備も兼ねてIngrid Voss, Herrschertreffen im frühen und hohen Mittelalter, Köln/Wien 1987の第2章、特にそのうち盛期中世に関わる第3節を読みました。

第1回ラテン語勉強会

中世ラテン語史料の講読をやりたいけれど、まだそういう学生もいないし、なかなか難しいなと思っておりました。ところが天の配剤というべきか、岡大大学院の卒業生で大変熱心なW君がいて、6月の西洋中世学会で紹介されていたことから、先日土曜日に第1回を開…

飯田洋介『ビスマルクと大英帝国ー伝統的外交手法の可能性と限界』

岡山大学に着任する以前からこの大学の「西洋史的マンパワー」がどのような状況にあるか調べていました(岡大だけではなく県下各大学の状況もできる限り)。そこで目に留まったのはちょうど2年前に教育学研究科に着任されていた飯田洋介さん。早稲田出身でド…

藤川直樹「ドイツ立憲君主政における王統と国家」

昨日以下の抜刷りを落掌。感謝。 藤川直樹「ドイツ立憲君主政における王統と国家ーヘルマン・レームの公法学ー」『國家學會雜誌』126巻3・4号、101-162頁 東大法学部ドイツ法のホープである著者は、この論文の元となった修士論文で修士号を取得し、助教採用…

論文刊行

2日に渡る京都の日本西洋史学会から帰って来た(学会についてはまたコメントします)。少々疲れを残したまま大学に来てメールボックスを見ると『法制史研究』62号が届いていた。これの抜き刷りを学会でお配りしたかったのだが、それは叶わず。結果として切手…

口述試験について

ドイツの博士号に関する学位審査は論文審査と口述試験の2段階で行われる。以前の記事では両者の間に(トリーアの場合)3週間の猶予を置く,等の話を書いた。今回は口述試験について。ドイツでは伝統的に,DisputatioとRigorosumのうちいずれかの形式が選択さ…

シトー会修道院ザーレム

8月にコンスタンツに滞在した折、念願のザーレム(Salem)を訪れることができた。かつてシトー会修道院としてボーデン湖周辺に多数の所領を得、大いに栄えたザーレム。この修道院は珍しく中世を通して帝国直属の地位を保ったのだが、それはひとえにドイツか…

小倉欣一『ドイツ中世都市の自由と平和』

心底気をもむことがあり、ほぼ腑抜けと化して困っている昨今。ところが本日土曜日、妻が体調を崩したため子どもの面倒を必死に見ていると、そのことに専心するため永久機関のごとく気に病む時間が大幅に減った。まさにこれこそ天の配剤だと理解し、前向きに…

メットラハ修道院

木曜日から事実上4連休となっているトリーア。しかし雨が降り止まず,連休最終日の今日はさすがにうんざりしてきた。そのため少し雨が弱まったときに電車に飛び乗り,RB(鈍行)で35分くらいの所にあるメットラハ(Mettlach)に行ってきた。 メットラハは,7…

博士論文提出

ブログでは1ヶ月振りであろうか。先のエントリーはちょうど博士論文の最終修正を始めた時期で、そこから息継ぎなしの生活が始まり、ブログどころではなかったというのが正直なところ。そういう時に絶好の息抜きになるのがツイッターで、人文系の方々の存在に…

「ヨーロッパ・地中海世界における異宗教・異宗派間の相剋と融和をめぐる比較史研究」国際シンポジウム

日頃お世話になっている深沢先生が率いる科研プロジェクト「ヨーロッパ・地中海世界における異宗教・異宗派間の相剋と融和をめぐる比較史研究」が今年最終年度を迎え、10月20日・21日に東京大学駒場キャンパス・18号館大ホールで国際シンポジウムを開催する…

ES研10月例会(第33回)のお知らせ

ES研10月例会(第33回)のお知らせが出ていましたので転載します。 日時:10月20日(土)午後2時から5時半まで。 場所:早稲田大学戸山キャンパス39号館6階第七会議室。タイトル「カロリング期の「書かれたもの」と社会」 報告:丹下栄 「カロリング期修…

「回顧と展望」2011年の歴史学界を読んで その1

ひょんなことから読む機会をいただいた今年の『史学雑誌』「回顧と展望」。これに目を通すことはいわば年中行事ですが、年によって当たり外れが大きくこれほど書き手に依存した「テンプレート企画」は無いのではないかと再確認しました。白眉はやはり深沢先…

ザールブルクと城塞研究

7月半ばに、トリーアから電車で15分ほどのところにあるザールブルク(Saarburg)へ行ってきました。ザールブルクはモーゼル支流のザール川沿いにある山城で、交通の要所であることから10世紀にはすでに史料に登場します。トリーア大司教が築城し、借地契約な…

シンポジウムのお知らせ

以下のシンポジウムが早稲田大学で開催されます。僕は残念ながら伺えませんが、ぜひ皆様ご参加下さい。中世やルネサンスには様々な「ローマの再生」が見られるわけですが、以前日大でやった日本西洋史学会の小シンポジウムはみな歴史プロパーによる報告でし…

博論の進捗状況と投稿論文

今日は月曜日で,夏学期のコロキウムも最終回。教授の面談時間が設定されています。少しお話しできるのかなと思っていたのですが,研究室で勉強していると,10時半頃教授がやってきて,今まで提出していた分(序論,第1部,第2部)を読んだと言って返却して…

来週面談

教授とは幸い毎週挨拶を交わせているため,何か聞きたいことがあったらその都度聞ける環境にあります。日本に帰っていた1年半,多分に没交渉的なところがあり誤解も多かったのですが,今は博論の何が問題なのかを直接話してくれるので,迷いなく原稿を修正で…

Verzeichnis der Stadtbücher des Mittelalters und der Frühen Neuzeit

9日の月曜日に教授のコロキウムがあり,ハレ=ヴィッティンゲン大学のWissenschaftlicher Mitarbeiterのクリスティアン・シュペーア氏が来て,現在同大学で進行中のDFGプログラム「歴史基礎研究の道具としての都市台帳目録」(Der Index Librorum Civitatum (…

中世におけるメスのベネディクト会修道女

先日sehepunkteの最新号で書評が掲載されていたので早速購入したのがゴルドン・ブレンネマンの『中世におけるメスのベネディクト会修道女』。Gordon Blennemann, Die Metzer Benediktinerinnen im Mittelalter. Studien zu den Handlungsspielräumen geistli…

プファルツェル

先週末はトリーアから一駅のところにあるプファルツェル(Pfalzel)というところに行ってきました。実は当初はプリュム(Prüm)に行くつもりだったのですが,乗らなければならない電車に目の前で発車されてしまいました。脱力感に襲われ,DBに悪態をついた後…

ヴォルムス大聖堂

5月22日,シュパイヤーを後にしてそのままヴォルムスへ移動しました。夕方になって目的の大聖堂は閉まっていたので,ホテルについているレストランで食事をとってこの日は終わり。それにしてもこの季節のシュパーゲル(白アスパラ)は格別です。夜は突然娘が…

シュパイヤー大聖堂

5月22日にシュパイヤーを訪れました。中世ドイツ史を研究していながら訪れたことがないというのはある意味「もぐり」なのではと,個人的にずっと思っていた場所。今回,初めて行くことが叶いました。シュパイヤー大聖堂はザーリアー朝の初代国王コンラート2…

指導教授の記念論文集

6月4日に指導教授のコロキアムがあり,エルサレム大学のデイヴィッド・ジャコビーが講演を行いました。すでに80を超える大学者で,戦時中はドイツの強制収容所にいたこともあり,戦後イスラエルに亡命した人。テーマは「東地中海におけるギリシア語を話すロ…

シトー会女子修道院ザンクト・トーマス

5月末,Juni TestTicketというものが販売され,6月の1ヶ月間,トリーア市内・近郊のバスと電車が50ユーロで乗り放題になります。500枚余しか販売されなかったので買えて大変幸運でした。これを機に6月の週末は近郊の教会・修道院を見にいこうと考えていて,…

『法の流通』

2009年、鈴木秀光・高谷知佳・林真貴子・屋敷二郎編『法の流通』(慈学社)に「ドイツ王権による修道院保護とシトー会総会」というタイトルの論文を寄稿させていただきました。博士論文で取り組んでいる内容からこぼれ落ちてしまった題材で、興味深いものは…

修道院と気候

今教授が僕の博士論文についてもっぱら関心があるのは,修道院の経済危機と周辺農民の動向,そして両者に影響を与えたであろう悪天候による飢饉の関係です。このテーマに関してちゃんとした研究がないため,古い研究を参考に新しい見地を見出そうとしていま…

草稿を提出

最近,4月の変わりやすい天気にややうんざり気味ですが元気にやっています。今日は教授と会える約束になっていたので,午後は研究室にずっと詰めていた。4時頃やっと来たので,博論の草稿のうち,半分を超えるくらいを提出することができました。教授は来週…

Germania Sacraシリーズのデジタル化

Germania Sacraと言えば,相当数がデジタル化されて無料でダウンロードできるようになっています。ここに説明が載っていますが,現在のところ新シリーズ(第2シリーズ)から48巻がPDFになっていて(一覧),それ以外は著作権の関係でまだだそうです。第3シリ…

シトー会修道院マリエンフェルト

中世修道院研究に関連して最近の文献を紹介しております。Wilhelm Kohl, Das Bistum Münster 11: Die Zisterzienserabtei Marienfeld (Germania Sacra, 3. Folge 2), Berlin/New York 2010. Germania Sacra: Die Bist?mer der Kirchenprovinz K?ln: Das Bist…

ヒルザウ修道院慣習律

修道院研究の文脈で新しい文献を一つ紹介。Corpus Consuetudinum Monasticarum XV,1-2 Willehelmi Abbatis Constitutiones Hirsaugienses, Adiuvante Candida Elvert O.S.B, Recensuit Pius Engelbert O.S.B., Siegburg 2010.クリュニーと同様に俗権からの解…

教授と面談

今日は今回初めてハーファーカンプ教授と面談をすることができました。妻と娘を紹介できたのがまずもって大きな喜びで、娘も教授を前にかつてないくらいはしゃいでいました。教授はというと,ちょっと前までインフルエンザにかかっていて,数日前も風邪をひ…

Heilig Rock Wallfahrt Trier

本日4月13日から5月13日まで,トリーア大聖堂では「キリストの聖衣(Heiliger Rock)」の一般公開を行っています。これでトリーア市は多数の巡礼者を見込んでおり,おそらく経済をぐいっと後押ししてくれるのでしょう。公式HPはこちら(http://www.heilig-ro…

文献落掌

今日以下の文献をいただきました。じっくり読ませていただきます。・加納修編『歴史におけるテクスト布置』名古屋大学大学院文学研究科、2012年これは名古屋大学GCOEの成果。昨年9月にやった国際研究集会での報告を収めたものです。ドイツに行っていたので伺…

西洋中世学会会員の2011年度年間業績から

西洋中世学会が会員の年間業績を公表しました。自分は昨年新刊紹介を『史学雑誌』に書いたのみで、論文を公にできなかったのが心残り。今年は蓄えた分、巻き返していかないといけません。以下、そこから「中近世ドイツ史」と「中世修道院史」から、ある程度…

聖なる場所

今日の午前中はArnold AngenendtのGeschichte der Religiosität im Mittelalter, 2. Aufl., Darmstadt 2000のうち巡礼に関する箇所に目を通しました。そもそも「ヨハネによる福音書」4章19-23を見ると,女がイエスに「主よ、あなたは預言者だとお見受けしま…

調べ物とpitancia

今日は投稿用の論文を仕上げました。某方面に感想を伺うべく送付し,とりあえず一段落。これで明日からまた博論に戻れます。最後の詰めで調べ物をしないといけなかったので西洋史学研究室に。Lexikon des MittelaltersとLexikon der Theologie und Kircheで"…

歴研部会

今日は午前中投稿論文の最終チェックを進め,午後は早稲田まで歴研のヨーロッパ中世史・近世史合同部会に出席してきました。報告者: 津田 拓郎 氏 題目:「カロリング期のカピトゥラリア―同時代人は「カピトゥラリア」を一つの文書類型として認識していたの…

Francia Beiheft

パリ・ドイツ歴史研究所が編集しているFranciaのBeiheftがデジタル化され,無料でPDFファイルをダウンロードできるようになっています(ただしまだ第30巻まで)。ドイツ人にして中世フランス史の泰斗カール・フェルディナント・ヴェルナーとヴェルナー・パラ…

2012年の抱負

あけましておめでとうございます。2012年1月1日の朝,少し早く起きることができたので1年の抱負を書かせていただきます(今書かないときっと機会を逸するので)。⑴博士論文の完成,提出,学位の取得,出版準備 これが2011年中に果たせなかったのが最大の心残…

ドイツ滞在の成果

12月5日から19日まで,ちょうど2週間ドイツのトリーアに滞在して史料収集と研究を進めて参りました。子どもも産まれてあまり家を長く空けるのが難しい中,妻には感謝してもし切れません。 今回達成したことは非常に多岐にわたるのですが,ざっと以下のことを…

Rheinische Transitzölle im Mittelalter

文学部図書館で別の文献を探しているとき,ふと目にとまった文献がFriedrich Pfeiffer, Rheinische Transitzölle im Mittelalter, Berlin 1997.A. Das Zollwesen in den Rheinlanden in fränkischer Zeit B. Die Zolltarifierung in den Rheinlanden vom 10.…

研究会発表終了

早稲田大学の甚野先生の科研研究会で発表をしてきました。もう一方の発表者は駒場の長谷川先生。夏前に第1稿が書き上がり,章立ても明確になったので,とにもかくにも博士論文の内容をご紹介しようというコンセプトで報告させていただきました。基本的にご理…

論文の翻訳計画

本日2つ目のエントリー。 中世シトー会研究をやるうえで欠かせない論文集と言えばカスパー・エルムが主催した研究集会の成果"Die Zisterzeinser. Ordensleben zwischen Ideal und Wirklichkeit"ですが,そのErgänzungsbandにKlaus Schreiner, Zisterziensisc…

雑誌『エクフラシス』第1号落掌

先日早稲田の研究会で,先日このブログで紹介した『エクフラシス』を入手。ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所の所長を務めている甚野先生から頂きました。目次はこのPDFファイルを参照のこと。 *その中から,読みたいと思っていた鈴木喜晴「14世紀修道会史…

抜き刷り落掌

先日,大変お世話になっている近世フランス史の深沢先生から以下の抜き刷りを頂きました。先生の大学院ゼミには修士1年の時から参加させていただき,学恩は計り知れません。Katsumi Fukasawa, L'histoire française moderne vue du Japon: la place incertai…

研究集会「修道院長ウルリヒ二世・フォン・ゼールフィンゲン(1282〜1311)と中世におけるシトー会修道院ザーレムの隆盛

おなじみH-SOZ-U-KULTでシトー会修道院に関する研究集会の告知が上がっていました。http://hsozkult.geschichte.hu-berlin.de/termine/id=17262ドイツ語圏で最も重要なシトー会修道院は問われて必ず挙るのがボーデン湖畔のザーレム(Salem)です。皇帝の直接…

ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所

早稲田大学のスタッフで構成されるヨーロッパ中世・ルネサンス研究所(所長:甚野尚志教授)の公式ホームページが完成していたのでお知らせします。ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所研究会の他、紀要『エクフラシス』も刊行され、徐々に体制を整えている様…

2011年度西洋中世学会若手支援セミナーのお知らせ

来る8月30日、慶應大学日吉キャンパスで西洋中世学会の若手支援セミナーが開催されます。詳細はこちらで↓。http://www.medievalstudies.jp/general/aboutseminar201108_5/#usermessage4aポスター発表者・参加者ともに8月13日までにエントリーすることになっ…