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岡山大学でドイツ地域を中心に西洋史(中世史)を研究している大貫俊夫のブログ。

修道院

ハイスターバッハ訪問

シトー会修道院訪問の2ヶ所目は、ボンの近郊、ライン右岸にあるハイスターバッハです。ここは先の記事に書いたヒメロートから修道士が来て創建され、その中にいたカエサリウスが『奇跡の対話』等数多くの著作を残したことからよく知られています。下の絵は聖…

ヒメロート再訪(8月9日)

今回の滞在では、なるべく多くのシトー会修道院を見てくるというのが目的の一つです。とはいえ週末くらいしか自由に動けないのが実情なわけで、この週末は念願のヒメロート(Himmerod)再訪を果たしました(初めて訪れたときの記事はこちら http://ohnuki.ha…

第1回ラテン語勉強会

中世ラテン語史料の講読をやりたいけれど、まだそういう学生もいないし、なかなか難しいなと思っておりました。ところが天の配剤というべきか、岡大大学院の卒業生で大変熱心なW君がいて、6月の西洋中世学会で紹介されていたことから、先日土曜日に第1回を開…

論文刊行

2日に渡る京都の日本西洋史学会から帰って来た(学会についてはまたコメントします)。少々疲れを残したまま大学に来てメールボックスを見ると『法制史研究』62号が届いていた。これの抜き刷りを学会でお配りしたかったのだが、それは叶わず。結果として切手…

メットラハ修道院

木曜日から事実上4連休となっているトリーア。しかし雨が降り止まず,連休最終日の今日はさすがにうんざりしてきた。そのため少し雨が弱まったときに電車に飛び乗り,RB(鈍行)で35分くらいの所にあるメットラハ(Mettlach)に行ってきた。 メットラハは,7…

中世におけるメスのベネディクト会修道女

先日sehepunkteの最新号で書評が掲載されていたので早速購入したのがゴルドン・ブレンネマンの『中世におけるメスのベネディクト会修道女』。Gordon Blennemann, Die Metzer Benediktinerinnen im Mittelalter. Studien zu den Handlungsspielräumen geistli…

プファルツェル

先週末はトリーアから一駅のところにあるプファルツェル(Pfalzel)というところに行ってきました。実は当初はプリュム(Prüm)に行くつもりだったのですが,乗らなければならない電車に目の前で発車されてしまいました。脱力感に襲われ,DBに悪態をついた後…

シトー会女子修道院ザンクト・トーマス

5月末,Juni TestTicketというものが販売され,6月の1ヶ月間,トリーア市内・近郊のバスと電車が50ユーロで乗り放題になります。500枚余しか販売されなかったので買えて大変幸運でした。これを機に6月の週末は近郊の教会・修道院を見にいこうと考えていて,…

『法の流通』

2009年、鈴木秀光・高谷知佳・林真貴子・屋敷二郎編『法の流通』(慈学社)に「ドイツ王権による修道院保護とシトー会総会」というタイトルの論文を寄稿させていただきました。博士論文で取り組んでいる内容からこぼれ落ちてしまった題材で、興味深いものは…

修道院と気候

今教授が僕の博士論文についてもっぱら関心があるのは,修道院の経済危機と周辺農民の動向,そして両者に影響を与えたであろう悪天候による飢饉の関係です。このテーマに関してちゃんとした研究がないため,古い研究を参考に新しい見地を見出そうとしていま…

Germania Sacraシリーズのデジタル化

Germania Sacraと言えば,相当数がデジタル化されて無料でダウンロードできるようになっています。ここに説明が載っていますが,現在のところ新シリーズ(第2シリーズ)から48巻がPDFになっていて(一覧),それ以外は著作権の関係でまだだそうです。第3シリ…

シトー会修道院マリエンフェルト

中世修道院研究に関連して最近の文献を紹介しております。Wilhelm Kohl, Das Bistum Münster 11: Die Zisterzienserabtei Marienfeld (Germania Sacra, 3. Folge 2), Berlin/New York 2010. Germania Sacra: Die Bist?mer der Kirchenprovinz K?ln: Das Bist…

ヒルザウ修道院慣習律

修道院研究の文脈で新しい文献を一つ紹介。Corpus Consuetudinum Monasticarum XV,1-2 Willehelmi Abbatis Constitutiones Hirsaugienses, Adiuvante Candida Elvert O.S.B, Recensuit Pius Engelbert O.S.B., Siegburg 2010.クリュニーと同様に俗権からの解…

西洋中世学会会員の2011年度年間業績から

西洋中世学会が会員の年間業績を公表しました。自分は昨年新刊紹介を『史学雑誌』に書いたのみで、論文を公にできなかったのが心残り。今年は蓄えた分、巻き返していかないといけません。以下、そこから「中近世ドイツ史」と「中世修道院史」から、ある程度…

聖なる場所

今日の午前中はArnold AngenendtのGeschichte der Religiosität im Mittelalter, 2. Aufl., Darmstadt 2000のうち巡礼に関する箇所に目を通しました。そもそも「ヨハネによる福音書」4章19-23を見ると,女がイエスに「主よ、あなたは預言者だとお見受けしま…

調べ物とpitancia

今日は投稿用の論文を仕上げました。某方面に感想を伺うべく送付し,とりあえず一段落。これで明日からまた博論に戻れます。最後の詰めで調べ物をしないといけなかったので西洋史学研究室に。Lexikon des MittelaltersとLexikon der Theologie und Kircheで"…

Francia Beiheft

パリ・ドイツ歴史研究所が編集しているFranciaのBeiheftがデジタル化され,無料でPDFファイルをダウンロードできるようになっています(ただしまだ第30巻まで)。ドイツ人にして中世フランス史の泰斗カール・フェルディナント・ヴェルナーとヴェルナー・パラ…

ドイツ滞在の成果

12月5日から19日まで,ちょうど2週間ドイツのトリーアに滞在して史料収集と研究を進めて参りました。子どもも産まれてあまり家を長く空けるのが難しい中,妻には感謝してもし切れません。 今回達成したことは非常に多岐にわたるのですが,ざっと以下のことを…

研究会発表終了

早稲田大学の甚野先生の科研研究会で発表をしてきました。もう一方の発表者は駒場の長谷川先生。夏前に第1稿が書き上がり,章立ても明確になったので,とにもかくにも博士論文の内容をご紹介しようというコンセプトで報告させていただきました。基本的にご理…

論文の翻訳計画

本日2つ目のエントリー。 中世シトー会研究をやるうえで欠かせない論文集と言えばカスパー・エルムが主催した研究集会の成果"Die Zisterzeinser. Ordensleben zwischen Ideal und Wirklichkeit"ですが,そのErgänzungsbandにKlaus Schreiner, Zisterziensisc…

雑誌『エクフラシス』第1号落掌

先日早稲田の研究会で,先日このブログで紹介した『エクフラシス』を入手。ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所の所長を務めている甚野先生から頂きました。目次はこのPDFファイルを参照のこと。 *その中から,読みたいと思っていた鈴木喜晴「14世紀修道会史…

研究集会「修道院長ウルリヒ二世・フォン・ゼールフィンゲン(1282〜1311)と中世におけるシトー会修道院ザーレムの隆盛

おなじみH-SOZ-U-KULTでシトー会修道院に関する研究集会の告知が上がっていました。http://hsozkult.geschichte.hu-berlin.de/termine/id=17262ドイツ語圏で最も重要なシトー会修道院は問われて必ず挙るのがボーデン湖畔のザーレム(Salem)です。皇帝の直接…

Franz J. Felten, Werner Rösener (Hg.), Norm und Realität

先日今月頭に注文した本が(ようやく)届いた。最近はamazon.jpでも沢山洋書が買えてしかも割安になったりもするので実に便利。その中からここでは本書をーまだ未読なのでさわりだけだがー紹介する。 Franz J. Felten, Werner Rösener (Hg.), Norm und Reali…

Vom Kloster zur Residenz

Ilka Minneker, Vom Kloster zur Residenz. Dynastische Memoria und Repräsentation im spätmittelalterlichen und frühneuzeitlichen Mecklenburg, Münster 2007.1. Einleitung 2. Das Kloster Doberan als Grablage der mecklenburgischen Fürsten und He…

西欧の修道院建築

昨年修道院建築について読みごたえのある翻訳書が刊行されました。図説 西欧の修道院建築作者: ヴォルフガングブラウンフェルス,Wolfgang Braunfels,渡辺鴻出版社/メーカー: 八坂書房発売日: 2009/08メディア: 単行本 クリック: 12回この商品を含むブログ (2…

シトー会士人名辞典サイト

今日はずっと風が強く雨も降ったためなんとも外出する気の起きない日でした。それでも少し気分転換をしようと思い、大学近くのスポーツバー兼カフェでコーヒーを飲みつつ少し論文を書き進めました。こういう時大学近辺に住んでいると不便で、他に休日開いて…

アルロン国立文書館再訪へ

今年の冬は今までで一番寒く、かなりうんざりしました。氷点下+雪の毎日で、外に出るのがこれほど億劫になるとは想像もつきませんでした。今日はいよいよ気温も10度を超え、季節の変化をようやく感じることができました。しかし、気圧の関係かどうにも調子…

サン・マルタン・デネイ修道院

2009年の年末、2泊でリヨンに行ってきました。偶然にも自分と妻の知り合いがそれぞれ留学していて、彼らに会うのが主目的。しかし自分の旅に教会・修道院を訪れない選択肢はありません。最終夜、食事を共にした後輩H君が勧めてくれたのがここ(旧)サン・マ…

ザンクト・マティアス修道院

明けましておめでとうございます。今年も細々と、そして時に(=気が向いたときに)精力的にブログを更新していけたらと思っています。さて、年が明けてからトリーア西部にあるザンクト・マティアス(St. Matthias)修道院に行ってきました。この冬はとにか…

Klosterfriedhof im Schnee

久しぶりの更新になります。 論文を読んでいたら出てきたので貼り付けておきます。 フリードリヒは修道院や修道士について多く作品を残しています。ロマン主義と修道院は相性がいいのですね。 "Die Faszination für das Kloster im stillen Waldtal ist wese…